5月31日に閉館する銀座テアトルシネマ(中央区銀座 1)で現在、「銀座テアトルシネマ『さよなら興行』1987年~2013年 27年の軌跡 カサヴェテスからオゾンまで、全25タイトル一挙上映!!」と銘打ったレイトショー上映が行われている。
銀座テアトルシネマのサインに寄せられた、閉館を惜しむメッセージ
初日、11日の「オープニング・ナイト」は全 150席が満席に。14日の「トーク・トゥ・ハー」では100席近くが埋まった。
同興行のチケットは4月13日の前売り券発売から「異例」の売れ行きを見せており、作品観賞後、すぐに別の回のチケットを購入する人もいるという。
同館は1947(昭和22)年開館の木造の映画館「テアトル銀座」に始まり、「テアトル東京」を経てミニシアター黎明(れいめい)期の1987(昭和62)年に「銀座テアトル西友」となり、現在の形に至った。
閉館を目前に、同館の壁面には閉館を惜しむ観客からの寄せ書きが連ねられ、スタッフに「テアトル東京のころから通っていた」「幼いころ父に連れられて『ベン・ハー』や『風と共に去りぬ』などを見た」「銀座で、シネラマで映画を見るということは地方在住の自分にはステータスだった」といった思い出を語る人も多いという。
震災直前の 2011年3月初旬に同館支配人に就任し、最後の支配人となった野崎千夏さんは「さよなら興行の上映作品は営業、編成スタッフと共に、もう一度お客さまに劇場で見てほしいと思える作品を選んだ」と話す。
今後の上映作品は「夜顔」「蜂蜜」「家族の庭」「ピンポン」「コーヒー&シガレッツ」「あるいは裏切りという名の犬」「白いリボン」など。
最終日の30日には銀座テアトルシネマとしての歴代興行収入ランキング1位だった「8人の女たち」を上映。翌31日の日中はクロージング作品の「天使の分け前」を上映し、27年間の歴史に幕を閉じる。
各作品の上映時間などの詳細は同館ホームページで確認できる。