東京ガスの100%出資子会社、東京ガス都市開発(新宿)は9月13日にオープンを迎える商業テナントビル「GINZA gCUBE(ギンザ ジーキューブ)」(中央区銀座7)の内覧会を同11日に行なった。
同社は1957年より同地で運営していた「銀座ガスホール」ビルの老朽化に伴い、2006年から建て替えを検討し三井不動産(中央区)とともに開発を進めてきた。明治に創業した同ビルやライオン、ヤマハなどが並ぶ銀座7丁目界隈に「ふさわしい」(同)物販・飲食・サービスを提供する施設の開業を迎える。総事業費は25億円。
中央通りに面した同施設の敷地面積は479平方メートル、地上12階・地下2階建ての塔型ビルで高さは56メートル。外壁に用いられたガラスは「柔らかな」曲線の組み合わせにより「ガスの炎」をイメージ、「上昇製」「発展性」「新しさ」を表現した。コンセプトを「文化の交差点」、ターゲット層は「あえて年齢や性別を設けず」「自らの価値を高めようと常に意識し知的好奇心あふれる人々」に据えた。
地下1階~地上3階の4フロアには、日本上陸1号店であり旗艦店として機能するスウェーデン発のカジュアル衣料チェーン「H&M」が出店。地下1階=メンズ、1階~3階=レディス商品を扱い、モード、カジュアル、フォーマル、トラディショナルなど多彩なデザインラインを展開。デザイン性だけでなく「低価格」であることから、これまでに世界で1,500店舗以上を展開してきた。また、同ビルに出店するテナントの中で唯一、中央通り側に入り口が設けられた。
5階・6階には東京ガス(港区)が運営する、「食のオピニオンリーダーが集う食の情報発信拠点」となる「Studio +G Ginza(スタジオ プラスジー ギンザ)」が出店。5階=セミナー・会議スペース、6階=クックラボとして機能。料理研究家や料理人に向けた料理セミナー、食育活動を目的とした三國清三シェフの「キッズ イン ザ キッチン」、最新の調理科学を用いた調理の研究などを行う。
飲食テナントでは、7階に三重県桑名の料亭「柿安」が運営する松坂牛と特選黒毛和牛専門店「柿安 銀座店」、8階に大庄(品川区)の和食「ととや市場 結」が土、竹、木など自然をイメージした空間を演出、9階には台湾で約70店舗を展開、銀座ベルビア館(銀座2)でも人気を誇るナチュラルフード(中央区)の薬膳火鍋「天香回味(テンシャンフェイウェイ) 銀座中央通り店」が出店する。
そのほかの出店は、10階=東京皆美(島根県松江市)が運営する、鯛めしを名物とした和食店「郷土・松江の味 銀座皆美」、11階=ソイエスコーポレーション(中央区)が手掛けるジャパニーズダイニング「隠(おん)」、12階=創業40周年を迎えるレストラン鎌倉山(神奈川県鎌倉市)の「ローストビーフの店 鎌倉山 銀座店」など。
三井不動産は2010年に「銀座コマツビル」(中央区銀座6)、2012年には「G1プロジェクト」(中央区銀座1)の開業も予定しており、同社担当者は「銀座に活気を持ち込みお客さまに喜んでいただけるよう、さらなる銀座エリアの貢献に務めたい」とコメント。昨今の訪日観光客の増加に対応して、同社が運営・管理を行なう施設のメニューやサインを英語・中国語・韓国語で表記する旨も明らかにした。