松屋銀座(中央区銀座3、TEL 03-3567-1211)は8月6日、屋上で育てた野菜やハーブの収穫祭を行い、ホテル西洋銀座の総料理長・広田昭二さんが「夏野菜カレー」に仕上げて関係者に振る舞った。
当日は、屋上緑化のボランティア「銀座グリーンプロジェクト」のメンバーや銀座地区の協賛企業などが参加して行われた。今年は6月2日に種・苗植え式が行われたが、冷夏の影響により野菜の生育が予想より遅れを見せ、充分な収穫量に至らなかったため、銀座ブロッサム(銀座2)と白鶴酒造(銀座5)の屋上で育てられた野菜も提供された。
カレーにトッピングされた野菜はプチトマト、ナス、オクラ、ピーマン。「野菜の甘みがでるようにビネガーとトマトで酸味を強調させた」(広田シェフ)とし、前日に仕込んだという200人分のカレーのほか、キュウリ、ヨーグルト、クミン、塩で作られたさっぱりした口直しも併せて提供された。蒸し暑い夏夜に、酸味の利いた夏カレーが好評を博し、参加者たちが舌鼓を打った。
先週よりハーブの収穫祭が行なわれた「マロニエゲート」からは、屋上で栽培するブラックベリー、ブルーベリー、イチゴをふんだんにトッピングしたベイクドケーキが登場。紅茶とヨーグルトを生地に練り込んだカントリースタイルのケーキで、食後のデザートとして振る舞われた。
そのほか、特別天然記念物トキの故郷・新潟県佐渡島の「トキの育つ田んぼをつくる会」が低農薬で作りコシヒカリのブランド基準に満たないとされる「規定外米」の米粉に松屋銀座が注目し開発した、がんこ職人「新潟米せんべい」(5枚=578円)や清月堂「米粉の冷やしお団子」(1本=231円)のほか、銀座ミツバチプロジェクトとタッグを組んだ「トキ×ミツバチ応援プロジェクト」による銀座産ミツバチを使用したオリジナルスイーツのキャンティ「米粉ロール」(1本=1,575円)なども紹介された。
銀座ミツバチプロジェクトに端を発し、銀座のビルの屋上では現在、米、野菜、茶豆、ハーブづくりなどの活動が活発に行なわれている。参加した銀座ミツバチプロジェクトの田中淳夫副理事長は「ミツバチの体に農薬がつくと巣箱に戻ってきても中に入らず、巣箱前で死んでしまう。しかし、銀座では農薬がまかれないためミツバチが元気に育っている。そんなミツバチ目線の街づくりができれば」と話す。