3年連続でミシュラン3つ星を獲得した銀座のフランス料理店「ロオジエ」(中央区銀座7、TEL 03-3571-6050)が、3月の営業を最後に一時休業に入る。
ロオジエは1973(昭和48)年、中央通り沿いの資生堂パーラービル内に「日本一のフランス料理店」を目指して開業。1986(昭和61)年、総料理長にフランス人のジャック・ボリーさんを迎え、1999年には現在同店が営業する資生堂本社社屋1~2階に移転。ボリーさんの全面的なディレクションの下、「モダニズム」「フランスのアールデコ」をテーマにファサードからインテリアまでを一新し、「フランスよりフランス的」と称される新生ロオジエが誕生した。
エントランスに重厚な扉を設け、ダイニングフロアへと上る明るいらせん階段も特徴の店内は、サルバドール・ダリの彫刻やピエール・ルメールの絵画などの芸術品で装飾し、席数30席に対し40人以上のスタッフが在籍する。2005年にブルーノ・メナールさんが総料理長を引き継ぎ、フランスの伝統料理法に着想を得た「ネオクラシック」なスタイルでコース料理を提供。「ミシュランガイド東京」では3年連続で3つ星を獲得した。
今回の休業は、1972(昭和47)年築の資生堂本社社屋の老朽化による建て替え事業の一環。資生堂では、新社屋完成予定の2013年秋の営業再開へ向け、「新生ロオジエプロジェクトチーム」を発足させている。チームリーダーの尾形久兵衛さんは「新店の内装やシェフなどについてはまだ白紙段階。スタッフ陣については資生堂パーラー各店舗などでレベルアップを図る」と話す。公式サイトのリニューアルも予定しており、決定事項は順次サイト内で発表しながら、「2年間、お客さまとコミュニケーションするためのコンテンツを充実させる」という。
新店へ向けて、「レストラン営業は、『美しい生活文化』を理念とする当社が行う文化事業の一環。現在もいい店なのでバージョンアップはプレッシャーだが、『資生堂がつくるレストラン』として最高のおもてなしを目指したい」と意気込む。
現店舗の営業が終了する3月末まで、既に予約で満席となっている。