オルタナティブスクール「HILLOCK(ヒロック)」は、2026年10月末、中等部の子どもたちによる約1週間の「能登スタディツアー」を実施します。
そして11月7日(土)10時から、HILLOCK中等部駒沢校にて、子どもたち主催による「能登スタディツアー報告会」を開催します。
なぜ、能登なのか。
今回の旅は、大人が「ここへ行きなさい」と決めたものではありません。
行き先を選ぶところから、旅の計画、現地との交渉まで、子どもたち自身が関わりながらつくってきました。
子どもたちが選んだ場所が、震災からの復興が続く「能登」でした。

HILLOCKは、一般的な学校とは異なる教育理念やカリキュラムをもつオルタナティブスクールです。
私たちは、公立や私立など既存の学校を否定するために、オルタナティブスクールをつくっているわけではありません。
子どもによって、興味も、発達も、心地よい学び方も違います。
だからこそ、「どの学校が正しいか」ではなく、
一人ひとりが自分に合った教育を選べることが大切だと考えています。
HILLOCKもまた、そんな「学校の選択肢」のひとつです。
中等部で特に重視している学びの一つが、
世界時事です。
戦争、選挙、災害、環境、人口減少、AI、経済。
すでに答えが整理された教科書だけではなく、今まさに世界で起きている「まだ答えのない問題」について知り、異なる立場から考え、対話します。
「世界でこんなことが起きている」で終わらせず、
「それは、自分とどうつながっている?」
「どんな歴史的背景や思いがあるの?」
「自分だったら、どうする?」
まで、考えることを大切にしています。
今回の能登スタディツアーも、その学びの延長線上にあります。

新聞を教科書代わりに、毎日楽しく議論してます。
HILLOCK中等部では、毎年スタディツアーを実施しています。
昨年度はカンボジアを訪れ、文化や歴史、そこで暮らす人々との出会いから学びを深めました。
では、今年はどこへ行くのか。
そこで行ったのが、
行き先を決めるための「コンペ」でした。
大人から3案。
子どもから3案。
合計6つの候補について、それぞれが「なぜ、そこへ行きたいのか」「そこで何を学べるのか」を調べ、プレゼンテーションしました。
最後は、子ども、保護者、スタッフ全員で投票。
しかも、単に多数決をしたわけではありません。
「どういう投票方法なら、みんなが納得できるのか」
その決め方自体も、みんなで話し合いました。
そうして選ばれたのが、能登でした。

能登をコンペに出すきっかけになった旅の1コマ。
なぜ、能登を選んだのか。
子どもたちからは、こんな理由が挙がりました。
「家族や友達と普通に旅行で行けるところだったら、スタディツアーで行く意味がない」
「せっかくみんなで行くなら、自分が成長できる場所に行きたい」
「新聞で学んだ能登を、直接この目で観たい」
「HILLOCKには現地とのつながりがあるから、普通の旅行ではできない体験ができる」
大人が「教育的だから」と選んだ能登ではありません。
子どもたちは、
自分たちの時間と、お家の方の大切なお金を使って、どこへ行けば最も学べるのか。
それを自分たちなりに考え、他者の提案と比較し、一票を投じました。

子どもが主体で進行していきます。
能登に決まったら、次は旅行会社にお任せ――ではありません。
「どこへ行く?」
「誰に会いたい?」
「どんなことを聞きたい?」
「どうやったら会ってもらえる?」
「どう移動する?」
「限られた予算をどう使う?」
子どもたちは、自分たちで調べ、計画し、現地の方々との交渉にも関わりながら旅をつくってきました。
連絡しても、思い通りにならないことがあります。
予定していたことができなくなれば、別の方法を考えます。
予算にも限りがあります。
自分がやりたいことと、仲間がやりたいことが違うこともあります。
計画する。伝える。交渉する。失敗する。変更する。合意する。
スタディツアーの学びは、能登に着いてから始まるのではありません。
行き先を考えたその日から、すでに始まっています。

大人との対話も慣れたもの。
2024年の能登半島地震、そしてその後の豪雨。
能登では大きな被害が生じ、今も復旧・復興の途上にあります。
また、北陸では直近でも豪雨による被害が発生しています。被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
今回のスタディツアーについても、HILLOCKでは現地の方々と連絡を取りながら、被害状況、復旧状況、安全面を確認し、実施について慎重に判断しています。
そして、私たちが大切にしていることがあります。
被災地を、「机上で学ぶ教材」にしないこと。
そこには、今も暮らしている人がいます。
生活があり、仕事があり、家族があり、それぞれの人生があります。
だから、
「見に行く」のではなく、「会いに行く」。
HILLOCKがこれまで築いてきた現地とのつながりを生かし、観光だけでは出会えない人たちの話を聞き、同じ時間を過ごします。
「大変でしたね」と外側から眺めるだけではなく、同じ社会に生きる一人として、これからを一緒に考えます。

昨年度はカンボジアへ。
能登で向き合うのは、震災だけではありません。
人口減少。
少子高齢化。
一次産業の担い手不足。
過疎化。
地域コミュニティをどう残していくのかという問題。
これらは、これから日本の多くの地域が向き合う可能性のある課題です。
一方で能登には、豊かな海や山、食文化、地域に根ざした仕事があります。
そこで生き続ける人がいる。
外から移住して、新しい暮らしをつくる人もいる。
復興の先に、新しい地域の姿をつくろうとしている人もいる。
そんな人たちとの出会いから生まれるのは、
「豊かさって何だろう?」
「働くって何だろう?」
「自分は、どこで、誰と、どう生きたい?」
という問いです。
能登という一つの地域を深く知ることを通して、子どもたちは
「これからの日本」と「これからの自分」を同時に探究します。

昨年度のカンボジアでの様子。
ヒロックとして、大切にしている学びがあります。
民主主義です。
それは世界時事に限ったものではありません。
日常から、毎日積み重ねてきた学びの途上に、このスタディツアーがあるのです。
行き先について、自分の意見をもつ。
仲間のプレゼンを聞く。
違う意見について考える。
どう投票するかを話し合う。
決まったら、自分たちで実現する。
旅の途中でも、意見が違えばまた話し合う。
HILLOCKが考える民主主義は、選挙や政治制度について知識として「習う」だけのものではありません。
自分とは違う他者と一緒に、「私たちはどうしたい?」を考え続けること。
今回のスタディツアーでは、行き先を決めるところから、その実践は始まっています。

対話を大切にしています。
10月末、子どもたちは自分たちで選び、自分たちでつくってきた旅へ出発します。
そして、帰ってきたら終わりではありません。
11月7日、今度はそこで感じたこと、考えたことを
社会へひらきます。
この報告会も、子どもたちの「ひらくべきだ」という意見から始まっています。
「自分は何を見た?」
「誰と出会った?」
「何が心に残った?」
「考えがどう変わった?」
「自分は、これからどう生きたい?」
きれいにまとまった研究発表が目的ではありません。
同じ場所を訪れても、感じることは一人ひとり違うはずです。
その
それぞれの気付きと変容を、自分自身の言葉で語ります。

学び合う姿。
今回の報告会は、HILLOCKへの入学を検討しているご家庭にも、ぜひ参加していただきたいと考えています。
学校選びで本当に知りたいのは、カリキュラムや時間割だけでしょうか。
「この場所で何年も学んだら、わが子はどんなふうに世界を見るようになるのだろう?」
それも、大切な学校選びの視点だと私たちは考えています。
大人が教育理念を説明するだけでは伝わらないものがあります。
社会で起きていることを、子どもたちはどう受け止めるのか。
どんな問いをもつのか。
違う意見をもつ人と、どう関わるのか。
そして、自分の人生についてどんな言葉で語るのか。
ぜひ、子どもたち自身の姿と言葉から、HILLOCKでの「学びと育ち」を感じてください。

大日向中学高等学校とコラボした際の様子。
開催概要
イベント名:HILLOCK中等部 能登スタディツアー報告会
日時:2026年11月7日(土)10:00~12:00
参加費:現地参加1000円(但し、10歳未満のお子さんをお持ちの場合は無料)、オンライン視聴(アーカイブは1週間)1500円、ヒロック保護者無料
定員:30名
会場:HILLOCK中等部 駒沢校
内容
・能登スタディツアーの紹介
・子どもたちによる体験・探究の報告
・能登で生まれた問いの共有
・参加者との対話 など
対象
・HILLOCKへの入学を検討しているご家庭
・10歳未満のお子さまをもつ保護者
・学校教員、教育委員会などの教育関係者
・探究学習、オルタナティブ教育、これからの学校教育に関心のある方
お申込み
https://forms.gle/jwind9Rm8iGiU1qs6(11/6まで。満席になり次第締め切り)
HILLOCKは、子どもを一人の学習者、そして一人の市民として尊重し、一人ひとりの興味関心や発達に応じた学びをつくるオルタナティブスクールです。
学校の中だけで学びを完結させるのではなく、地域や社会、そして今まさに世界で起きている出来事とつながりながら、子ども自身が問いをもち、考え、対話し、行動することを大切にしています。
私たちが目指しているのは、「何を知っているか」だけではなく、変化し続ける世界の中で、
自分はどう生き、他者とどんな社会をつくっていくのかを考え続けられる人を育むことです。
https://www.youtube.com/watch?v=VrJCJfQjTmM